「効果的な広告を制作するために魅力的なモデルを起用したい」と考える企業は多いでしょう。モデルを起用するうえで何に注目すべきかを知っておくと、ユーザーに広告の意図が伝わりやすくなります。
そこで今回の記事では、広告モデルとそのほかのモデルの違いや、起用する際に注目したいポイントについて解説します。
※目次※
広告モデルとは?他のモデルとの違い
モデルと聞くと、雑誌やファッションショーで活躍するファッションモデルを思い浮かべる人が多いでしょう。それだけでなく、広告やCMを中心に活躍しているモデルもいます。
本章では、モデルを仕事内容をもとにいくつかの種類に分けて、それぞれの仕事について解説します。
広告モデル|CMや企業広告で起用されるモデル
広告モデルは、主にCMや企業広告で活躍するモデルです。コマーシャルモデルとも呼ばれます。広告の目的は購買意欲の向上や企業イメージの向上など様々です。
また、広告モデルは一般人に近いルックスでも需要があります。広告モデルは、製品企業のイメージを分かりやすくしたり、ユーザーに親近感を持ってもらったりする目的で起用されるためです。
ファッションモデル|ファッションショーに出演するモデル
ファッションモデルとは、ファッションショーやファッション誌で活躍するモデルです。商品やブランドの広告塔となり、多くの人に知ってもらうことを目的に起用されます。
身にまとった衣装のPRが、ファッションモデルの最大の役割です。広告モデルに比べると、身長や体型の条件が厳しいといえます。
その他のモデル
日常生活でよく見られるモデルは広告モデルとファッションモデルです。そのほかにもモデルに分類される仕事は存在します。
例えば、デッサンや絵画などのモデルになる絵画モデル、手だけ・脚だけなど商品に合わせたパーツのみを強調するパーツモデルもモデルの1種です。
働き方によるモデルの種類
モデルの働き方は多種多様です。事務所に所属している専業モデルがいれば、副業やボランティアとしてモデル活動をしている人もいます。働き方によるモデルの違いを確認しましょう。
プロモデル|事務所に所属しているモデル
プロモデルは、モデル事務所に所属したり、ブランドと契約を交わしたりして本業として活動しているモデルです。副業として活動している人よりも報酬が高く、起用にかかる費用は高いといえます。
プロモデルになるには、オーディションやスカウトを受けなければなりません。ある程度の技術力や容姿が求められます。ただし、実力主義の世界のため、事務所に所属しているからといって第一線で活躍できるとは限りません。
素人モデル|スキマ時間で活動しているモデル
素人モデルは、学生や本職の合間に活動をしているモデルです。活躍する場が雑誌の場合、読者モデルと呼ばれます。
報酬がプロよりも安い、またはボランティアである点が特徴です。撮影現場までの交通費や、衣装にかかる費用は基本的にモデル自身が負担します。
素人モデルは、プロモデルよりも一般人に近い外見や視点が必要です。身長や顔立ちに関する要求が少なく、幅広い容姿や年齢層の人に活躍の場があるといえるでしょう。
広告モデルに必要な条件
高身長や個性的な顔立ちが求められるファッションモデルと比べて、広告モデルは一般人に近い容姿が求められます。優れたモデルとして評価されるには、容姿以外にも条件を満たさなければなりません。
ここからは、広告モデルが備えておきたい5つの条件を紹介します。
身長|他の出演者とのバランスが重要
広告モデルには高身長は求められません。その代わり、一緒に仕事をするほかのモデルとのバランスが求められます。
例えば、家族が題材の広告において、「姉」「母」として起用されるなら周囲よりも高い方がよく、「妹」「娘」なら低い方がよい、という形です。
体型|健康的・商材に合う体型
広告モデルは、ユーザーに商品の使用感を想像してもらうことが重要です。ファッションモデルよりも親近感のある体型が求められるでしょう。
違和感がなく健康的な人が求められ、痩せすぎ・太りすぎの人は活躍の幅が狭くなります。
顔立ち|親近感が重要
服を際立たせる個性を求められるファッションモデルに比べて、広告モデルは親近感のある顔立ちが必要です。広告は幅広い年代の人が見るため、自然な笑顔・表情を作れる人の需要が高いといえます。
キャラクター性|商材に合う雰囲気が重要
広告モデルのイメージは商品や企業のイメージに直結します。好感度や愛嬌の高さが必要です。
商品とモデルが持つ雰囲気が合っているかどうかも重要でしょう。企業イメージに合致するモデルは繰り返し起用される傾向があります。
技術|演技力・表現力が重要
写真での広告の場合は、ファッションモデルと同じく表情やポージング技術も求められます。広告内での役割を伝えるための演技力も必要です。
特に、テレビCMや動画広告においては、演技力の高いモデルが重宝されます。
ファッションモデルに必要な条件
ファッションモデルとして活躍するためには、個性が必要です。親近感が求められる広告モデルとは違い、衣装を引き立たせるような強い個性が求められるでしょう。
ここからは、ファッションモデルが広く活躍するために備えておきたい5つの条件を紹介します。
身長|高身長が望ましい
ファッションモデルは高身長が求められます。女性においては175センチメートル以上、男性では185センチメートル以上が必要です。海外で活躍する場合はより高い身長が求められるでしょう。
一方、近年は低身長の人に向けた商品を着こなせるモデルの需要もあります。
体型|体型のバランスが重要
衣装にマッチした人物が求められます。体重の数値そのものより、スリーサイズや体系全体のバランスが重要です。
顔が小さく手足が長い、ファッションを引き立たせる体型の需要が高いといえます。
顔立ち|個性的な顔が望ましい
ファッションモデルには、衣装を際立たせる個性的な顔が欠かせません。特に海外で活躍したい場合、埋もれにくい顔立ちが必要です。
加えて、肌質や髪質も常によい状態をキープしなければなりません。
脚|長さ・形が重要
ファッションモデルは綺麗にまっすぐに伸びた脚を求められます。これは、男性モデルよりも女性モデルにおいて重視される条件です。
スカートを用いたファッションの場合は、脚の長さや美しさが評価点になります。
技術|ランウェイでのパフォーマンス力が重要
ファッションモデルに必要な技術は、ポージングや表情です。衣装を魅力的に見せるためには、そのイメージに合った表情やポーズを瞬時に作らなければなりません。
また、歩き方も重要です。ファッションショーにおいては、ランウェイをまっすぐ魅力的に歩ける人材が重宝されます。
モデルを利用した広告の効果
モデルを起用した広告は、商品だけを写した写真を使った広告よりも人の目を引き付けます。モデルの起用や広告媒体の選択によって、宣伝効果は変わるでしょう。
例えば、同じモデルを繰り返し起用すれば「ブランド全体の広告塔」というイメージがつきます。そのほか、商品の好感度アップも効果のひとつです。そのモデルのファンによる情報の拡散も期待できます。
広告モデルを選ぶ際のポイント
企業側が広告モデルを選ぶとき、「より効果的な広告効果を期待できるモデルを選びたい」と思うでしょう。ここからは、広告モデルを選ぶ際に重視したい4つの条件を解説します。
モデルと商材のイメージを合わせる
広告を作るときは「有名な芸能人や魅力的なモデルを起用すればよい」と考えられていた時期がありました。近年は、広告にモデルを起用する企業が増加しています。そのため、芸能人やモデルの起用だけでは広告効果が十分に得られなくなりました。
質の良い広告は、ユーザーに伝わるストーリー性の構築が欠かせません。打ち出したいストーリーにモデルのイメージが合っているかどうかを、モデルの起用時に重視しましょう。
モデルにかかる費用を把握する
モデルの起用に必要な費用は、モデルによって大きく異なります。知名度が高いモデルを起用したい場合、かかる費用は非常に高額です。
一般的な企業がメディアの第一線で活躍するモデルを起用することは、あまり現実的ではありません。
モデルの費用を抑えたいときは、新人モデルや撮影場所の近くに住むモデルの起用がおすすめです。
使用媒体・期間をあらかじめ決めておく
使用媒体・契約期間によって、起用にかかる費用や適したモデルは異なります。
代表例は、CM・雑誌・チラシなどの昔からあるものや、Web広告・タクシー広告などの最近登場したものです。効果的な広告は媒体によって異なるため、ターゲットの属性を見極める必要があります。
また、使用期間の長さに応じて、起用料や契約料がかかるため、モデルが載った写真や動画をどの程度の期間使用するかも事前に決めておきましょう。
モデルの制約条件を把握・設定する
モデルによっては、出演する広告の内容にNGを出します。これは、自身のブランディングのために設けている制約です。中には、非常に厳しい制約を設けているモデルも存在します。
「起用していたモデルが新しい広告内容にNGを出す」ことがないよう、制限は起用前に把握しましょう。また、競合他社との契約を禁止するかどうかも決める必要があります。
まとめ
広告のモデル起用にはさまざまなメリットがあります。一方で、広告に合わないイメージのモデルを起用すると、広告に込めたストーリーが伝わりません。十分な広告効果が得られない恐れがあります。
どのような媒体でどの程度の期間、何を伝える広告を打ち出したいかを事前によくチェックしましょう。イメージに合致したモデルの起用が重要です。
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(参考: 『wonderX inc.』)