観光業に携わる企業や地方自治体のマーケティングご担当者の中には、観光客の増加に成功したマーケティングの成功事例を知りたいという方もいるでしょう。
そこでこの記事では、媒体ごとのマーケティング成功事例と集客を成功させるためのポイントについて紹介します。
※目次※
- 【Instagram活用】観光マーケティング成功事例8選
- 【YouTube活用】観光マーケティング成功事例2選
- 【アニメコラボ】観光マーケティング成功事例2選
- 観光客増加を狙ったマーケティングを成功させる5つのポイント
- まとめ
【Instagram活用】観光マーケティング成功事例8選
旅行代理店・ホテル・航空会社・自治体など、観光業のマーケティングにはInstagramがよく活用されています。
ここからは、Instagramを活用して集客に成功している事例を紹介します。
HIS「タビジョ」|映える投稿で旅先の魅力発信
「タビジョ」は、株式会社エイチ・アイ・エスが運営するアカウントです。フォロワーは8.2万人(2023年9月現在)で、女子旅をコンセプトに観光地での体験やホテルなどを紹介しています。
投稿方法は主に2種類あり、ひとつ目はハッシュタグに「#タビジョ」とつけられた一般の投稿を、投稿者に許可を取ってタビジョのアカウントに掲載する方法です。ふたつ目は、フォロワーの多いインフルエンサーを起用する方法で、旅先をリポートしたりSNSに発信したりしてもらいます。
リアルイベントではレポーターが登壇する「MEET UP」が開催されており、旅行意欲の醸成や旅行商品・観光地の認知向上を図っています。
(参考:『タビジョ』)
楽天トラベル|ハッシュタグで利用者との交流促進
「楽天トラベル」は、楽天トラベルが運営するアカウントで、フォロワーは28.8万人(2023年9月現在)です。旅行の計画に役立つおすすめのホテル・旅館や観光スポットを紹介しています。
投稿内容は自社制作が主です。加えて、ハッシュタグ「#楽天トラベル絶景宿」や「#楽天で見つけたすてきな宿」がつけられた一般投稿者の投稿を、公式アカウントに掲載しています。
優秀作品には豪華なホテルの宿泊券をプレゼントするフォトコンテストが人気です。日本国内の宿に宿泊した写真を投稿して宿泊券がもらえる仕組みで、旅行者との交流やフォロワーの獲得に役立っています。
(参考:『楽天トラベル』)
ANA|従業員による発信でファンづくり
「ANA」は、ANA(全日本空輸株式会社)が運営するアカウントで、フォロワーは77.3万人(2023年9月現在)います。旅行好きや飛行機好きの人から人気を集め、フォロワー数は観光業アカウントでトップクラスです。
主な投稿内容には、CA・グランドスタッフによるダンス動画や、有名人・キャラクターとのコラボレーション企画、イベントの告知などの投稿があげられます。普段見られないCAやパイロットの姿、整備作業が見られる点が人気のポイントです。
(参考:『ANA|Japanese Airline』)
和歌山県|ハッシュタグで来訪者との交流促進
「Insta_Wakayama 和歌山県オフィシャル」は、和歌山県が運営するアカウントです。フォロワーは1.9万人(2023年9月現在)います。一般の方が投稿した素敵な写真をリポストし、和歌山県の魅力を発信する内容です。
同県の観光連盟や地域の姉妹アカウントのハッシュタグキャンペーンも併せて発信しており、観光客との交流を促進させフォロワーの獲得を図っています。
(参考:『Insta_Wakayama 和歌山県オフィシャル』)
東京観光財団|インフルエンサー起用でオリンピック誘致
東京観光財団は、東京商工会議所や東京の民間企業などからの寄付で活動する組織で、東京の観光振興を目的としています。
成功事例には、2020年のオリンピックを盛り上げるためのプロジェクト「20 Cheers for Tokyo」があげられます。サポーターとして起用されたインフルエンサーは、写真家の福田洋昭さんです。
福田洋昭さんはフォロワーが52万人(2023年9月現在)おり、投稿した東京の写真を通して世界中に東京の魅力とプロジェクトの発信をしました。
(参考:『Hiroaki Fukuda』)
神奈川県葉山町|自治体主導で町の魅力を発信
「hayama_official」は、神奈川県葉山町の広報係が運営するInstagramアカウントで、フォロワーが3.8万人(2023年9月現在)です。自治体の公式アカウントとしては、多くのフォロワーを獲得しています。
フォロワーが多い理由は、ターゲットを明確に設定できているためです。葉山市では、「若者」で「移住」を検討している人に対して投稿しています。さらに、独自のハッシュタグ「#葉山歩き」も拡散につながった大きな要因でしょう。ハッシュタグをつけた投稿者と積極的に交流を図り、ファンを増やしました。
(参考:『葉山町(神奈川県三浦郡葉山町)』)
埼玉県|外国人インフルエンサー起用で世界に魅力を発信
インバウンドの観光客を増やしたい自治体もあるでしょう。その場合は、埼玉県の事例を参考にすることがおすすめです。
埼玉県では、埼玉県の魅力を世界へ発信するために、外国人のインフルエンサーを「LOVE SAITAMAアンバサダー」として起用しています。
ニュージーランド人のジェシカ・ゲリティーさんは、LOVE SAITAMAアンバサダーの1人です。Instagramのフォロワーは9.3万人(2023年9月現在)おり、埼玉県や日本の伝統文化の魅力について外国人の目線で発信しています。
(参考:『Jessica Gerrity ジェシカ ゲリティー』)
星野リゾート|インフルエンサーを起用したホテルの魅力発信
星野リゾートは全国に展開するホテルごとに異なるコンセプトを設定し、それぞれのターゲットに向けたマーケティングにInstagramを利用しています。
成功事例は、北海道にあるリゾナーレトマムの宣伝で起用されたモデルの「宮城舞さん」のPR投稿です。
宮城さんには、フォロワーが45.6万人(2023年9月現在)おり、ファミリー層へアプローチするために起用されました。ご家族とホテルやアクティビティで楽しく過ごしている様子が6投稿にわたって紹介され、多くのいいねやコメントを獲得しています。
(参考:『Mai Miyagi 宮城舞』)
【YouTube活用】観光マーケティング成功事例2選
Instagram以外で話題を集めたものに、YouTube動画があります。Instagramに比べて、エンタメ性・メッセージ性を強く表現できる点が特徴です。
ここからはYouTubeを活用したマーケティングの成功事例を紹介します。
大分県別府市「湯~園地計画」
大分県別府市が2016年にYouTubeで配信した動画、「100万再生で本当にやります!別府市・湯~園地計画!」が注目を集めました。わずか3日で100万回再生を達成し、2023年9月時点で594万回再生を記録しています。
動画制作の目的は、温泉都市別府の魅力を世界へ発信することです。類を見ない企画であったためPR効果が高く、クラウドファンディングでの資金調達にも成功しました。3日間限定で実施され、来場者数は1万人以上を記録し、観光促進に寄与した事例だといえるでしょう。
(参考:『100万再生で本当にやります!別府市・湯~園地計画!|温泉ハイスタンダード! 極楽地獄別府』)
京都府「京の七夕」
人気ユーチューバー「QuizKnock」と、京都のお祭り「京の七夕」がコラボしたPR動画です。QuizKnockが浴衣を着て京都を散策しながらクイズを出題し、京都や京の七夕を紹介します。
京の七夕とのコラボ動画はサブチャンネルで配信されており、チャンネル登録者数は2023年9月時点で63.1万人です。2022年の動画では23万回再生され、417件のコメントが寄せられており、反響が大きいといえるでしょう。
(参考『【Vlog】乾と須貝が京都旅行してきた|QuizKnock会議中【サブチャンネル】』)
【アニメコラボ】観光マーケティング成功事例2選
観光マーケティングを成功させるために、人気アニメが活用されるケースもあります。
ここではアニメとコラボレーションした地方自治体の成功事例を紹介します。
岐阜県飛騨高山×君の名は。
2016年に公開された映画「君の名は。」の舞台である、岐阜県飛騨高山の成功事例です。特に、インバウンドの集客に力を入れるため、Facebookを英語で運用し始めました。2023年9月時点でフォロワーは4.7万人です。
Instagramでも独自のハッシュタグ「#hidatakayama」をつけて国内外に情報を発信しています。さらに、PRポスターの設置やイベントを開催し、観光客の誘致に成功しています。
山梨県×ゆるキャン△
ゆるキャン△は山梨県を舞台とし、女子高生がキャンプしたり日常生活を送ったりする漫画作品です。山梨県の素敵な自然が描かれている点や、原作者の出身地であることから注目を集め、山梨県来訪のニーズが高まりました。
若い年齢層にターゲットを絞り、アニメの公式SNSでも呼びかけたことが観光客誘致の成功要因です。聖地巡礼のモデルコース紹介やスタンプラリーなどのイベントを実施し、地域を盛り上げました。
観光客増加を狙ったマーケティングを成功させる5つのポイント
InstagramやYouTubeを始めたり、人気アニメとコラボしたりすれば簡単に観光客が増えるわけではありません。集客につなげるためのポイントを押さえることが重要です。
ここでは、集客を増やしマーケティングを成功に導く5つのポイントを紹介します。
市場の情報収集と分析をする
観光客を誘致するためには、観光客のニーズを知ることが重要です。競合他社や他の地域で実施している事例を収集し、「どのような観光コンテンツが流行っているのか」「どのようにして注目を集めているのか」など、さまざまな視点で分析してみましょう。
さらに、観光コンテンツに興味・関心を持つユーザーの属性も合わせて分析することがおすすめです。年齢層や性別、趣味などあらゆる情報を洗い出してみましょう。
ターゲットを設定する
分析した情報を参考にし、訴求したいターゲットを明確に設定することがポイントです。たとえば、若年層・ファミリー層・外国人・女性・アニメ好きなどがあげられます。
ターゲットを明確にする理由は、使用する媒体を絞るためです。若年層や女性であればInstagramを活用したり、外国人であればFacebookを活用したりします。
さらに、ターゲットを明確にすると発信内容に統一性が出ることもメリットです。
地域の魅力に独自性を持たせる
成功事例をそのまま真似すれば集客に成功するわけではありません。ユーザーは、その土地ごとに合った独自性のある観光コンテンツに魅力を感じるためです。たとえば、写真映えするスポットや、その地域でしかできない体験などがあげられます。
観光マーケティングを成功させるためには、自社や地域の魅力を発掘し、訴求する目的を定め、ターゲットへ向けて的確にアプローチすることが肝心です。
インフルエンサーに依頼する
既に影響力を持つインフルエンサーに依頼して、自社の活動や地域・観光地の魅力を発信する方法もあります。インフルエンサーのファンであるユーザーが興味を持ちやすく、狙うターゲットへ効率的にリーチできる点がメリットです。
投稿にPRと明記する必要はありますが、インフルエンサーの投稿なら広告と知っても不快感は少なく、おすすめポイントや感想が受け入れられやすい傾向にあります。
SNSと連動したキャンペーンを実施する
利用者や観光客がSNSを通してPRに参加できる仕組みを作ることも重要です。ハッシュタグをつけた投稿が寄せられるほど自社や地域に関連する素材が増え、公式アカウントにリポストしてSNSを充実させられます。
たとえば、特定のハッシュタグをつけて投稿した投稿者へ宿泊券をプレゼントする企画や、「SNSを見た」と言って利用したユーザーに特典をプレゼントするキャンペーンなどがおすすめです。投稿のメリットやインセンティブを用意することで、参加者の満足度は向上するでしょう。
まとめ
観光業におけるマーケティングでは、成功事例を参考に自社独自の魅力を発掘することが重要です。ターゲットを明確に設定し、キャンペーンを実施したり、インフルエンサーを起用したりすることで集客につながります。
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(参考: 『wonderX inc.』)